2011年8月5日

RAD Studio/Delphi/C++Builder XE2情報

昨日(2011/08/04)のオークランドのWorld Premiereでワールドツアーが始まり、PulsarことRAD Studio/Delphi/C++Builder XE2の情報が少しずつ明らかになってきています(例年通りなら来週くらいからスニークプレビューも始まるのではないかと思います)。そこで現時点での情報をまとめていきます。

  • FastReportsがバンドルされる。
    公式フォーラムのEmbarcadero Discussion Forums: Nevrona Today?のBrent Roseさんの発言によれば、レポートツールとしてFast Reports Inc.のFastReportsがバンドルされることになったようです(消息不明の状況が続いているNevronaのRaveReportsも継続してバンドルされる模様)。
  • MacOSXおよびiOSアプリケーションを作成できるようになる。
    Rodrigo Ruzさんのtweet経由でSteve MaughanさんDelphi Firemonkey DemoDelphi For Macのデモビデオによると、Delphiプロジェクトとして従来のものに加えて"FireMonkey 2D Application","FireMonkey 2D iOS Application","FireMonkey 3D Application","FireMonkey 3D iOS Application"の4種類が追加されています(FireMonkeyはKSDevのVGScene/GLSceneをベースに新たに開発されたクロスプラットフォームUIライブラリで、WindowsではDirectXベース、MacOSX/iOSではOpenGLを使い2D/3D描画を行うものとのことです)。"FireMonkey 2D Application"と"FireMonkey 3D Application"は従来通りのDelphi IDE上での開発(MacOSXでは"Platform Assistant Server"によるリモートデバッグ)になりますが、"FireMonkey 3D iOS Application","FireMonkey 2D iOS Application"はMacOSX上のXCODEで実際のコンパイル、リンクを行うことで、MacOSX/iOS上で動作するアプリケーションを作成するためのもののようです。
    またエンバカデロのラテンアメリカ・カリブ地域担当プロダクトラインマネージャ・リードエバンジェリストのAndreano LanusseさんVideo: Delphi XE2 and FireMonkey app on Windows, Mac and iOS | Andreano Lanusse Blog | Technology and Software Development | DelphiのデモビデオによるとMacOSX上のXCODEへのプロジェクトのエクスポートはDelphi IDE上からメニューを選択するだけで簡単に行えるようです。
  • Windows x64サポートが追加される。
    予定通りVCL/FireMonkeyアプリケーションでWindows x64がサポートされます。
  • LiveBindingsであらゆるクラスのプロパティを関連付けることができるようになる。
    LiveBindingsを使用すると単純にインスタンスのプロパティ同士を関連付けるだけでなく、エクスプレッションエンジンによる評価値を表示させたり(この場合は単方向)、あるいは双方向にバインドすることもできます。またこのエクスプレッションエンジンはLiveBindingsからは独立しており、実行時に動的にObjectPascalを評価させることが可能とのことです。
  • RadPHPでAndroidのネイティブアプリケーションを作成できるようになる。
    RadPHP上でjQueryとPhoneGapを使用することでAndroid上で動作するネイティブアプリケーションを作成することができるようです。PhoneGapとはWikipedia (ja)によるとJavaScript、HTML、CSSを使ってモバイルアプリケーションを作成できるオープンソースのフレームワークとのことです。
  • Starter SKUも用意される。
    Pro/Ent/Arc SKUからは遅れるものの、XE2でもStarter SKUが用意されます。Starter SKUでもクロスプラットフォームは使用可能とのことです。
  • FireMokeyと従来のVCLはネームスペースで区別される。
    従来のVCLはVCL、FireMonkeyはFMXというネームスペースに含まれるようになり、これで区別されることになるようです。
  • DataSnapのクライアント側のプロキシを自動的に生成できるようになる。
    Objective-C、C#、Prism、BlackBerryなどからDataSnapサーバに接続するためのプロキシを自動的に生成することができるようになるとのことです。


元ねたは上記のリンクの他にJolyon SmithさんTe Waka o Delphi · RAD STUDIO XE2: Launch Event Report

2011/08/08追記: とりあえず現時点での情報をまとめました。

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