今年(2010年)の7月くらいからStuxnetと呼ばれるワーム(マルウェア)が話題になっていました。
W32.Temphid (ja) (Symantec)
Trojan-Dropper:W32/Stuxnet (F-Secure)
WORM_STUXNET.A - 概 要 (Trendmicro)
Stuxnet | ウイルス情報 | マカフィー (McAfee)
キヤノンITソリューションズ:ESET Smart Security & ESET NOD32アンチウイルス:Win32/Stuxnet.A (ESET)
Stuxnetはルートキットの特徴を持ち、複数の攻撃(感染)手段を用意していることに加え、シーメンスのSiemens SimaticというPLC(いわゆるシーケンサ - シーケンサは三菱電機株式会社の登録商標ですので、たとえとしては適切ではないかもしれませんが)にアクセスしようとする、という特徴があり、色々な憶測がなされてきました。しかしここにきて多くのセキュリティ関係者の努力により、Stuxnetの正体がほぼ解明された模様です。
エフセキュアブログ : Stuxnetに関する質疑応答
Stuxnet: 画期的な解明 | Symantec Connect
エフセキュアブログ : 「Stuxnet」再び:質疑応答
これらの情報を信じる限り、Stuxnetは西側(おそらくイスラエル)の情報機関がイランの核物質精製施設(ウラン濃縮プラント)の運用を妨害するためのもの、ということのようです。Stuxnetの備える強力な感染力は外部から直接アプローチできない施設に対して間接的に浸透するための手段ということになります。まぁイスラエルはイラクの原子炉を稼動前に爆撃で破壊(Operation Opera)していたりしますから、信じられないこともない話ですが、Stuxnetによる攻撃を考案した人は相当な切れ者だと思われます(いわゆるコロンブスの卵、ですね)。
2011/01/19追記: New York Timesが記事にしたことでまた話題になっているようです。
エフセキュアブログ : 「Stuxnet」に関する新情報
2011/02/16追記: Stuxnetの解析は続いているようです。DoDやNSAからクレームがついたりはしないんでしょうか?
エフセキュアブログ : 「Stuxnet」再び
W32.Stuxnet 調査詳細の改定版を公開 | Symantec Connect
2011/02/21追記: 2011年02月10日にJPCERT/CCが主催して行われた制御システムセキュリティカンファレンス 2011でもStuxnetが取り上げられたようです。
「Stuxnet - 制御システムを狙った初のマルウエア」 - JPCERT/CC 情報流通対策グループ 小熊 信孝
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