サーバメソッドでサポートされているデータ型
- DataSnapの公開サーバメソッドでデータの受け渡しに使うことができるデータ型は以下のとおり(*がついているものはドキュメントにないもの)。
- 組込型
- Boolean
- SmallInt
- LongInt *
- Integer
- Int64
- Single
- Double
- TDateTime *
- Currency *
- AnsiString
- WideString *
- String
- OleVariant *
- System.JSONユニットで定義されている型
- TJSONValueから派生した全てのクラス
- Data.DBXCommonユニットで定義されている型
- TDBXTime
- TDBXDate
- TDBXStringValue *
- TDBXWideStringValue
- TDBXAnsiStringValue
- TDBXWideCharsValue *
- TDBXAnsiCharsValue *
- TDBXUInt8Value
- TDBXInt8Value
- TDBXInt16Value
- TDBXInt32Value
- TDBXInt64Value
- TDBXSingleValue
- TDBXDoubleValue
- TDBXBcdValue
- TDBXTimeValue
- TDBXDateValue
- TDBXTimeStampValue
- TDBXBooleanValue
- TDBXReaderValue
- TDBXStreamValue
- コレクション
- TDBXReader *
- TDataSet *
- TParams *
- TStream *
- コネクション
- 組込型
- これ以外の型が含まれるメソッドはクライアント側のTSQLConnection上で"DataSnap クライアント クラスの生成"を実行してもサーバメソッドプロキシに含まれなくなるので注意が必要です。そのような型の値やクラスインスタンスをDataSnapで扱うときは組込型に置き換えたり(たとえば列挙型ならOrdで序数にしたりGetEnumNameで文字列化する、など)、マーシャリング、アンマーシャリングという仕組みを使ってJSONオブジェクト経由で受け渡す必要があります。詳細はDataSnap サーバー メソッドの公開を参照。
- DataSnapの公開サーバメソッドでデータの受け渡しに使うことができるデータ型は以下のとおり(*がついているものはドキュメントにないもの)。
クラスインスタンスのマーシャリング/アンマーシャリング
- Delphiのオブジェクト(クラスインスタンス)は、基本的に送信側でTJSONMarshalのMarshalメソッドでTJSONValueにマーシャリング(変換)したものを送信し、受信側では受信したTJSONValueをTJSONUnMarshalのUnmarshalメソッドでアンマーシャリング(逆変換)して元のクラスのインスタンスに戻します(アンマーシャリングの結果の型はTObjectなのでasで本来のクラスにキャストします)。
- クラスインスタンスのリスト(TObjectListやTObjectList<T>)はそのままではマーシャリング/アンマーシャリングできないため、
のようにそれぞれの要素をマーシャリングしたものをTJSONArrayにAddElementメソッドで追加していって、そのTJSONArrayを受け渡して、var Values: TJSONArray; Item: TFoo; List: TObjectList<TFoo>; begin ... for Item in List do begin Values.AddElement(Marshal.Marshal(Item)); end;
TJSONArrayのItems[]プロパティ(またはenumerator)で取り出したJSONValueをアンマーシャリングする、という方法が考えられます。var Values: TJSONArray; Item: TJSONValue; List: TObjectList<TFoo>; begin ... for Item in Values do begin List.Add(UnMarshal.Unmarshal(Item) as TFoo); end;
- RTL経由で適切にシリアライズできないようなクラスのメンバを扱う場合は、マーシャラ(TJSONMarshal)およびアンマーシャラ(TJSONUnMarshal)に特定の型またはメンバに対応する変換/逆変換処理をRegisterConverter、RegisterReverterで登録して処理させる、ということになります。詳細はユーザー オブジェクトのシリアル化を参照。
TJSONValueとその派生クラスについて
- DelphiでJSON形式の値を扱うときにはTJSONValueの派生クラスを使用します。
- TJSONNullはJSONのnull値に対応します。
- TJSONFalse/TJSONTrueはJSONの真偽値(false/true)に対応します。
- TJSONStringはJSONの文字列値に対応します。
- TJSONNumberはJSONの数値(整数、浮動小数点数)に対応します。
- TJSONArrayはJSONの配列("JSON形式の値"の配列)に対応します。
- TJSONObjectはJSONのオブジェクト("文字列のキーと値のペア"の順序付けされていない集合)に対応します。"文字列のキーと値のペア"はTJSONPairとして実装されています。ペアはAddPairメソッドで追加し、逆に文字列のキーからペアを取り出すにはGetメソッドを使用します。
- DelphiでJSON形式の値を扱うときにはTJSONValueの派生クラスを使用します。
サーバクラスのインスタンスのライフサイクルについて
- サーバクラスのライフサイクルは、RESTサーバではSessionかInvocation、それ以外ではSessionとするのが普通でしょう。詳細はサーバー クラス インスタンスのライフサイクルを参照。
セッションの管理について
- サーバメソッド内でセッションを取得するときはTDSSessionManager.GetThreadSessionメソッドを使用します。またセッションに関する操作にはSessionIdが必要になります。詳細はサーバー側セッション管理を参照。
- 全てのセッションに対して処理を行いたいときはTDSSessionManagerのForEachSessionメソッドを使用して、
とします。TDSSessionManager.Instance.ForEachSession( procedure (const Session: TDSSession) begin // end);
- セッションごとにデータを保持させたいときは、TDSSessionのPutObject、GetObject、HasObject、RemoveObjectの各メソッドで特定のキー(文字列)と結びつける形でTObjectのインスタンスの保持、取得、問い合わせ、削除ができます。保持させたデータはセッションが所有しており、セッションが破棄されるときに解放されます。
- セッションが生成、破棄されるごとに処理を行いたい場合はTDSSessionManagerのシングルトンインスタンスであるInstanceのAddSessionEventでイベント(イベントハンドラや無名メソッド)を登録します(RemoveSessionEventで登録を削除することもできます)。
TDSSessionManager.Instance.AddSessionEvent( procedure(Sender: TObject; const EventType: TDSSessionEventType; const Session: TDSSession) begin case EventType of SessionCreate: begin // Session is created end; SessionClose: begin // Session is closed end; end end);
重量コールバック(クライアントコールバック)の管理
- TDSCallbackTunnelManagerのAddTunnelEvent、RemoveTunnelEventメソッドでトンネルおよびコールバックの登録、解除を通知するコールバック関数を登録、解除できます。
TDSCallbackTunnelManager.Instance.AddTunnelEvent( procedure(Sender: TObject; const EventItem: TDSCallbackTunnelEventItem) begin case EventItem.EventType of TunnelCreate: begin // Tunnel is created end; TunnelClose: begin // Tunnel is closed end; TunnelClosedByServer: begin // Tunnel is closed by user end; CallbackAdded: begin // Callback is added end; CallbackRemoved: begin // Callback is removed end; end; end);
- TDSCallbackTunnelManagerのAddTunnelEvent、RemoveTunnelEventメソッドでトンネルおよびコールバックの登録、解除を通知するコールバック関数を登録、解除できます。
TCP/IP接続を監視
- TDSTCPServerTransportのOnConnect、OnDisconnectイベントでTCP/IP接続の確立と切断を監視することができます。詳細はDataSnap 用 TCP/IP 接続の監視と制御を参照。
2015年6月24日
DataSnapサーバまとめ
DataSnapサーバを作るにあたって、ヘルプのDataSnap アプリケーションの開発あたりに載っていなかったり、載っていても気をつけたほうがいいと個人的に思ったことをまとめました(ユニットやクラス、あるいはそのリンクはDelphi XE8のものです)。
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